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無題5
あれから数日後、あやめが夜中に外へ出掛ける回数が増えた。あやめが夜中に出掛けているのは知っていた。前に理由を聞いてみたら、どうやら月を見に行っているらしい。それで僕も一緒に行った事がある。少し離れた丘の上。そこには展望台があるのだが、そことはまた別のあやめが見つけた場所。そこでいつも月を眺めていた。あの日見えた月は綺麗な満月だった。
月を見に行くのは、週三程度。しかし刀を手にしてからは、ほぼ毎日と行って良いほど出掛けていた。僕は、あやめの緋色の目を見たときの夢を思い出した。

緋く光る目、銀色の刀、緋色の髪…

もしかして…本当に?あまり考えたくは無かったが、それ以外に思い浮かぶ事は無い。いや、それ以外ないのだ。今夜、僕はあやめが出ていったら、後をつける事にした。

夜…案の定、あやめは僕が寝ているのを確認してから家を出ていった。寝たふりをしていた僕は、まず部屋を確認する。やはり刀は無い。急がないと…僕は暗闇に紛れながら歩くあやめの後を追った。

夜の街。見た目は色とりどりの光に満ちた華やかな世界。しかしそれは表の顔…少し路地へ入ってしまえば暗さだけが支配する闇の世界。その暗闇の中であやめは歩いていた。僕はついていくので精一杯だった。ほとんど何も見えない上に、気付かれないように障害物を避けなくてはいけなかったからだ。しかし、あやめは全て見えているのか、迷いなく進んで行く。その速さに僕がいつまでも追い付いて行けるわけはなく、当然のごとく見失ってしまった。
だが、何をしているか調べるために追い掛けていたので、そこで帰るわけにもいかず、しばらく裏路地を歩いていた。

数十分歩き、これ以上見失った状態で先に帰られたら僕が居ないことに気付き怪しまれるので、しかたなく帰ろうとしたとき…

…………!

その悲鳴は聞こえた。
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2007/11/22(Thu) | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
無題4
暗い暗い夜。此処は路地裏だろうか。湿った様子はなく、むしろ乾き切っていた。その中を一人の女性が走っていた。獲体の知れない恐怖から逃げるように、しきりに後ろを振り向きながら。
曲がり角に差し掛かった時、女性は何かにぶつかって尻餅をついた。その顔は完全な恐怖に歪んでいた。その涙に濡れた瞳の先には一人の女性がいた。髪は黒く長い。顔は闇に隠れて見えない。しかし、緋く光る目だけが闇の中で嘲笑うかの如く浮かんでいた。逃げていた女性は必死に逃げようとするが、腰が抜けて最早動けない。緋い目の女性は何かを手に持っていた。闇の中でやっと見える黒く細長いもの。彼女はそれを解き放った。刀だった。か細い月明かりを全て吸い込んだように刀は銀色に美しく輝いていた。彼女はそれを掲げると目の前の女性を斬りつけた。女性は間高き断末魔の叫びを上げ、その場に崩れ堕ちた。

刀を持った彼女は女性の返り血を浴びていて、顔、服は緋く染まっていた。その姿は彼女の美しさをより一層際立たせていた。彼女は艶やかに微笑み、女性の血を全て吸い付くしたように緋く染まる髪を夜風になびかせていた…

気付いた時はもう夕方になっていた。どうやら布団に寝かされているようだ。隣であやめがほっとしたような顔で僕を見ていた。僕は起き上がり辺りを見回した。あの刀は壁に立掛けてあった。その視線に気付いたのか、あやめは脅えた様な顔で僕を見ていた。大丈夫だよ。あやめをとがめたりしないさ。そう言うと、あやめのは少しほっとしたようだ。
しかし、何故あやめが刀を持った瞬間、あのような事になったのだろうか。もしや、あの刀は…そう思い、あやめに刀を取ってくれと頼んだ。あやめは戸惑いながら、僕に渡してくれた。そして僕はこの刀について話始めた。僕の家の屋根裏にあった事。あやめが手に取った途端、光り出し、あやめの瞳の緋色が増した事。そして今思った、この刀はあやめの物ではないかという事…
話し終えるとあやめの瞳の緋が増していた。やはりこの刀はあやめの物なんだろうと思い、あやめの手に刀を握らせた。そうすると瞳の緋はさらに増し、困惑した顔付きになっていた。僕は微笑み、この刀はあやめにあげる。今はもう、僕が持っていても意味は無さそうだ。あやめが持っていた方が刀も喜ぶだろう。好きに使うと良いよ。と言った。するとあやめは、出会った時よりも艶やかに、その緋くなった瞳をうるませ、微笑み、僕に抱きついた…
2007/05/27(Sun) | 小説 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
無題3
彼女は、とても綺麗だった。年は20歳前半だろう。所々に見える汚れていない肌は汚れを知らぬ純粋な透き通る様な白。瞳は少し大きく、黒の中に微かな緋みを持っていた。唇は艶やかな、まるで血に濡れた様な綺麗な緋色をしていた。
僕は言葉につまり、彼女を見つめていた。すると彼女は目を細め、唇を三日月の様に形を変え、微笑んだ。その時、心は奪われていた。

僕は彼女に、此処で何故座って居たのかを聞いた。しかし、彼女は何も答えず、ただ微笑むだけ。
僕は困惑した。彼女を一人にしたくはなかった。雨が降り続ければ冷え込み、体調を崩すのはあきらかだった。何処かもっと暖かい場所は無いか考えていた時、不意に彼女は立ち上がり僕の手を取り、歩み始めた。予想以外に力は強く、彼女に引きずられる用に僕も歩き始めた。

半時歩いた辺りで、彼女は一軒の家の前で止まった。そこで振り向き僕に微笑み、家の中に入った。此処が彼女の家なのだろうか。玄関で立ち止まっていると、彼女は不思議な顔をした。何故上がらないの?と言いたげな顔だった。僕は、上がって良いのかい?と聞くと、嬉しそうに微笑んだ。
家に上がり、色々と聞いた。しかし、どうやら上手く声が出ないようだ。唯一、名前だけは上手く答えれた。少しかすれた様な、しかし綺麗な声で、か細く答えた。

彼女…あやめは、何も気にせず僕を泊めてくれた。それどころか、ご飯も作ってくれた。きちんとした、とても美味しいご飯だった。彼女の服は、白のシャツと、ジーンズに変わっていた。あの時は、何故布切れの様な服を着ていたのだろうか。料理を作るとき、少し冷蔵庫の中が見えた。その冷蔵庫も立派なもので、中身も豊富だった。今思えば、家の外見は、少し古いものだったが、内装はそうではない。しっかりとしたキッチン、トイレ、風呂まであった。
あやめに対する疑問は深まるばかり。しかし、一緒に居られる喜びの方が大きかった。

あやめは、僕の身の回りを気に掛けてくれた。
居候の身で、何か手伝おうと思ったが、あやめはそれを許してくれない。一人で全てやってしまうのだ。手伝い用がなく、ただ、あやめを見ているだけだった。

数日が過ぎた。あやめが部屋の掃除をしていた時、僕が家を出るときに持っていた荷物を倒してしまった。中身が出て、あやめはびっくりしたようだ。無理も無い。僕も見られたく無かった。
床には一振りの日本刀が転がっていた。これは、僕が幼いとき家の屋根裏から見つけた物だ。何故あったのかは解らない。しかし、これは自分が持っていないと駄目な気がした。だから親にも何も言わず、ずっと隠し持っていた。
あやめはその日本刀を手に取った。その時、不意に刀が光り、それに反応するようにあやめの瞳の緋色が増した。あやめ?僕が呼び掛けると、あやめは僕を見た。僕はその緋い瞳に覗かれ、思考が止まり、何かを思い出した様に闇の中に落ちた…
2006/09/03(Sun) | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
無題2
歩み進め、何処とも知れぬ土地の橋の下を歩いていた。
ソラは灰色に濁り、辺りは暗く、雨でぼやけ、視界が効かなかった。
橋の半分を過ぎた辺りで、視界の隅に動く影を捉えた。ふと、そちらに目を向けると、ひとつの塊があった。僕は、その塊に興味を持った。何故かは解らなかったが・・・
近づいて良く見てみた。それは、布の切れ端としか言い様の無い粗末な服を見に纏った女性だった。髪はカラスの濡れ羽の様に黒く綺麗で、腰までに届く様な長さだった。寒いのか、恐怖に脅えていたのか、微かに震えていた。
僕は声を掛けた。すると、彼女はゆっくりと顔を上げた。

・・・
2006/08/10(Thu) | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
無題
雨の降る中、僕はあても無く歩いていた。終わりの無い旅の如く、しかし、終わらせることの出来る旅の如く。日々に疲れ、苦しみを味わい、迷う気持ちを持ち、親には異端の目で見られ。
全てから逃げるように、僕はあても無く歩いていた。
そんな時だった。彼女に出会ったのは・・・
2006/08/04(Fri) | 小説 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
準備中
空斗がぼーっとしている時に、ふと出てくる小説とも呼べない代物を載せて行きます。
2006/08/01(Tue) | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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